LinuxディストリビューションをインストールするためにブータブルUSBを作ります。
ブータブルUSBは、USBによってパソコンと接続して、起動(ブート)を行うUSBメモリのことです。

Linuxの場合は、使ってみたいLinuxディストリビューションをUSBメモリに書き込んで、そこからパソコンにインストールしたり、USBメモリから直接、起動させてLive USBとして使ったりします。
手軽なことと、書き込みや消去が簡単なので、主にUSBフラッシュメモリで作成することが多いです。

最近では、USBフラッシュメモリの容量が大きい一方で、Linuxディストリビューションのファイル自体は、2GB以下のものが多いです。

せっかくブータブルUSBを作成するならば、一つのUSBメモリの中に、複数のディストリビューションを入れて試してみたい人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「MultiBootUSB」というソフトウェアを紹介します。

「MultiBootUSB」とは

MultiBootUSBは、『複数』のLinuxディストリビューションやオペレーティングシステムをUSBフラッシュメモリのインストールを行うことができるソフトウェアです。

ブータブルUSBにインストールしたディストリビューションを、個々にアンインストールすることができます。

過去に少し遊んだものの使わなくなった「ネットブック」を持っています。
軽量Linuxを試してみたいものの、一つ一つブータブルUSBを作成して、やり直すのも面倒。
できれば8GBくらいのUSBメモリに、3つくらいのディストリビューションをインストールして、ちょこちょこくらべてみたいなぁと思っていたときに、見つけたのがこの「MultiBootUSB」というソフトウェアです。

準備するもの

USBフラッシュメモリ
Linux ディストリビューションによって必要な容量は異なりますが、8Gバイト以上あれば安心です。
軽量ディストリビューションの場合は2Gバイト以下でも十分ですが、フォーマットの関係で4Gバイト以上が良いです。

USBメモリは、FAT32形式にフォーマットする必要があります。
作業前にフォーマットしておいてください。

フォーマットの仕方はこちら。

ブータブルUSBの作り方

はじめに、ブータブルUSB作成の手順を説明します。

インストールしたいLinuxディストリビューションのWebサイトから、ISO形式のファイルをダウンロードし、そのファイルを「MultiBootUSB」でUSBメモリに書き込むという流れです。

Linuxディストリビューションをダウンロード

LinuxディストリビューションのWebサイトにいき、ISOファイルをダウンロードします。

今回は『超軽量』ディストリビューションを試したいので、次の3つ「Puppy Linux」「antiX Linux」「Lubuntu」「NNLinux」をインストールしたいと思います。

「Puppy Linux」のWebサイト

「antiX Linux」のWebサイト

「Lubuntu」のWebサイト

「NNLinux」のWebサイト

上記ディストリビューションを選んだのは、32bit向けの軽量ディストリビューションを比較したかったためです。
前述したネットブックで使い勝手を試したい。
それぞれに魅力的なのですが、32bitの開発が終了していくものも少なくないのが現状。。。

「MultiBootUSB」をインストール

ソフトウェア「MultiBootUSB」をダウンロードするため、「https://sourceforge.net/projects/multibootusb/」 にアクセスする。


「ダウンロード」をクリックするとダウンロードが開始されます。

セットアップファイルをクリックすると、変更許可のメッセージが表示されるので、「はい」をクリック。
「説明」を読んで「I Agree(同意)」をクリック。

インストール場所に問題なければ、「Install」をクリックするとインストールが開始されます。

インストールが完了。
すぐに使用する場合は、「はい」、あとで使用する場合は「いいえ」をクリック。

ここでは「いいえ」で一旦、抜けます。

USBメモリを接続

FAT32にフォーマット済みのUSBメモリを接続する。
4つのディストリビューションをインストールすることもあって、32GBのUSBメモリを選びました。

「MultiBootUSB」でブータブルUSBを作成する

「MultiBootUSB」を起動する。
「変更許可」のメッセージが表示されるので、「はい」をクリック。

Select USB diskで、USBメモリが挿入されているドライブを確認する。

Browseをクリックし、イメージを選択します。

「Install distro」ボタンをクリックします。

「インストールの可否」のメッセージが表示されるので、「Yes」をクリックします。

インストールが成功すると、「Finished」が表示されるので、「OK」が完了です。

他の3つのディストリビューションも、同様の操作を行います。

なお、Ubuntu、Fedora、Debianベースのディストリビューションについては、保存可能な領域がつくれます。
領域は自動で設定されるので、「Persistence」のスライダーを左に動かすことで、サイズを選択できます。

複数のLinuxディストリビューションのブータブルUSBが無事作成できました。

また、「Uninstall distro」を使うと、個別にディストリビューションをアンスンストールできます。

ちなみに、このブータブルUSBを使って、さっそくそれぞれのディストリビューションを起動させてみました。結果、「Puppy Linux」と「Lubuntu」は普通に起動できましたが、「antiX Linux」と「NNLinux」はうまくいかず。
ソフトウェアに問題があるのか、ディストリビューションに問題があるのか、切り分けてみようと思います。

その後、「antiX Linux」は3回目トライして起動できましたが、「NNLinux」に関しては5回目で諦めました。
得手不得手があるのかなぁ。

まとめ

Linux ディストリビューション用のブータブルUSBを作成する手順を紹介しました。

今回は、一度に複数のディストリビューションを試してみたい、あるいは比較してみたいという人向けに「MultibootUSB」というソフトウェアを使いました。

保存ができても起動できないディストリビューションもあるようです。

また、比較用としてインストールしたディストリビューションも個別にアンインストールできるので、試しながら自分に合ったものを残していく、という使い方もできるのではないでしょうか。