2006年に、東北地方のとあるバーでひっそりと始まった『モルトの会』

これは、その年の7月から12月までの記録です。

 

第5回のテーマ『モルトの谷のクリスマス?!』

マスターから「モルトの会」の案内が届きました。

12月20日開催ということで、クリスマスという言葉を絡めたいとのこと。

正直、内容が良くわかりませんが、基本的にマスターY氏にゆだねているので、何がきても問題ありません。

 

旨い酒と出会えれば良いのです。

そして、その酒についてちょっとだけでも知ることができれば良いのです。

 

第1部マスターの講義

マスターの講義でスタートです、と思いきや、マスターいつもと違います。

なんと、家庭の事情でお店を辞めることになったとのこと。それでも今回はモルトの会を継続できるようにしてくれました。

すばらしい会だったので、残念な想いでいっぱいな私。

それでも講義は続きます。

 

スコットランドの自由を求めて スマグラーたちの闘い

1707年にスコットランドがイングランドに併合されると、ロンドン政府はスコットランドのウィスキー蒸留税を大幅に引き上げた。1725年には「麦芽税」が導入され、1780~90年代にかけては、釜容量税を中心に増税が繰り返され、税金が50倍近くにも膨れ上がった。

大規模業者は、主にローランドで麦芽の割合を減らしたり蒸留回数を増やたりする道をとったが、小規模業者の多くは、ハイランドの丘陵地帯のグレン(=谷)に潜んで密造酒を作るスマグラー(密輸人)となった。

特に、当時のスペイサイド(スペイ川流域)は密造のメッカであった。

スマグラーたちは、ふんだんに麦芽を使い小さな蒸留器で高品質なモルトウィスキーを作り出した。

そして、現地で調達できるピートを燃料にし、密造酒をシェリー樽に隠したことで、ピート香や樽熟成の効果が発見された。彼らは協力して徴税官の目を盗み、安くウィスキーを売りさばき、スコットランドの人々の間で密造酒の人気はどんどん高まっていった。イングランドのスコットランドへの弾圧が強まると、スマグラーたちは反イングランドの愛国者としてスコットランドの人々から英雄視され、ウィスキーはスコットランドの自由の象徴になっていったのであった。

1822年、国王ジョージⅣがスコットランドとの和解を果たすためにエディンバラを訪れると、有名なグレンリベット(スペイ川支流)産の密造酒を公然と所望した。その翌年には酒税法が改正され、誰もが安く合法的にウィスキー造りが出来るようになった。

そして1824年にグレンリベットのジョージ・スミスの蒸留所が政府公認蒸留所第一号となり、スマグラーの時代は幕を下ろしたのであった。

 

◆ ハイランド

スコットランド北部から中部までの広い地域。

生産されるモルトウィスキーの個性はバラエティーに富み、生産地域としては、便宜上さらに北・東・西・中南部に区分される。

北部のモルトの傾向は、しっかりとした酒質で、ドライで、潮っぽさをもつ。

東部は、フルーティーなものから重めのものまで味の幅がある。

西部には蒸留所が少ないが、海岸的な特徴と内陸的な特徴を併せ持つ。

中南部は、南にいくほどピート香は穏やかだが、個性的な蒸留所が揃う。

◆ スペイサイド

ハイランド東北部、スペイ川やその支流を含む数本の川の流域周辺の地域。

大麦の産地や清冽な水、燃料のピートに恵まれたこの地域は、かつて密造のメッカであり、現在でもスコットランドの蒸留所の半数以上が集中している。

スペイサイドモルトは、ハイランドの中でも特にエレガントで、花や蜂蜜のような香味や控え目なピーティーさが際立つ。その中でもシェリーが強い重めのものと、繊細なスタイルのものがある。

◆ キャンベルタウン

ハイランドの南西に細長く伸びるキンタイヤ半島の先端の地域。

商業的モルトウィスキー生産の中心地は、スペイサイドに移る前には、海運に優れるキャンベルタウンだった。最盛期の18世紀中頃には合法的な蒸留所が30以上あったが、禁酒法時代のアメリカで、キャンベルタウン産といわれた粗悪なウィスキーが出回ったため悪評が立ち、衰退したと言われている。2004年にグレンガイル蒸留所が再開したが、キャンベルタウンの蒸留所は現在3ヶ所のみ。

キャンベルタウンモルトは、甘い香り、オイリーな酒質に塩辛さを感じる味が特徴。スプリングバンク蒸留所内では、かつて付近にあった蒸留所名で、タイプの違う2種類のモルトも生産している。

 

なるほど、講義の内容ですが、スコットランドでいかにこのような素晴らしいウィスキーができたのか。

先人たちが戦い続けた結果だったのですね・・・。

クリスマスと言って、浮かれている場合ではありません。

心して飲ませていただきます。

 

しかも、すごいウィスキーばかりです。

 

① ザ グレンリベット(THE GLENLIVET)16年 ナデューラ (NADURRA)  57.2% スペイサイド

ジョージ・スミスがスペイ川支流リベット川沿いに建てたこの蒸留所のモルトは、当時最高級モルトの代名詞だった。今でも、いち早く進出したアメリカでは最も飲まれているシングルモルトである。

本品は2006年6月にボトリングされた新商品。ゲール語の「ナデューラ(ナーチュラ)」は「ナチュラル」という意味。ファーストフィルのバーボン樽で16年熟成、ノンチルフィルター(無低温濾過)カスクストレングス(樽出しアルコール度数)にて限定生産。

「ナチュラル」な花やフルーツの香り、バーボン樽の風味が長く余韻をひく。

フルーツパウンドケーキと

 

② モートラック(MORTLACH)20年  62.2% スペイサイド

スペイ川支流のフィディック川とデュラン川の合流地ダフタウンにある蒸留所。1823年創業。ダフタウンには7ヶ所ほど蒸留所があり、スペイサイドの中核をなす町の一つ。

現在モートラックはジョニーウォーカーの重要なブレンド原酒で、オフィシャルボトル(蒸留所元詰め)がほとんど出ていないが、スペイサイドモルトの良さを全て兼ね備えた知る人ぞ知る銘酒。6基ある蒸留器はすべて形と大きさが違っていて、それが複雑さを生み出すと考えられている。

本品は蒸留所を所有するユナイテッドディスティラリー社の「レアモルト セレクション」の一つで、1978年蒸留20年熟成原酒をノンチルフィルター、カスクストレングスで限定生産。

モートラックとしてはシェリー香が軽いが、スムースな飲み口で、フルーティーさや穏やかなピート香などが複雑に絡まりながら最後まで続く。

干しイチジクにブルーチーズと。

 

③ スプリングバンク(SPRINGBANK)1991  62.6% キャンベルタウン

1828年創業直後からミッチェル家が経営し、現在でも大手の系列に属さず、自社で製麦からボトリングまで行う数少ない蒸留所。3基のポットスチルを使って2回半蒸留と呼ぶ珍しい方法で造る。

甘い香りが素晴らしく、コクがあり、ピート香や海岸的な潮っぽさも兼ね備えた古典的な逸品。

本品は蒸留所のマネージャーを務めたジョン・マクドーガル氏が、蒸留所の典型として1991年蒸留原酒を熟成(12年程度?年数明記なし)したバーボン樽を一つ選定し、キングスバリー社の「ケルティック コレクション」としてノンチルフィルター、カスクストレングスでボトリングしたもの。

ココナツやシトラス系の甘い香りと、口中にまとわり付くようなオイリーな感触、後に残る塩辛い感じなど、充実した味わい。

干しホタテ貝と

 

④ グレンユーリー ロイヤル(GLENURY ROYAL)20年  50% 東ハイランド

1825年に北海に近いコーウィー川のほとりに建てられた蒸留所。惜しくも1985年に閉鎖された。創業者のロバート・バークレイは王室とも親交があり「ロイヤル」の称号を付けることを許された。

このモルトも長らくブレンド原酒に使用され、シングルモルトとしてほとんど出回らなかったため、入手困難な東ハイランドの隠れた逸品である。

本品は1984年7月蒸留20年熟成シェリー樽原酒を、ダンカン・テイラー社が閉鎖蒸留所のコレクションである「レアレスト オブ ザ レア」の一つとしてシングルカスク、ノンチルフィルター、カスクストレングスで2005年6月にボトリングした。

軽いスモーキーさを含む芳醇なハーブのような香り、スムースでコクと深みのある味、複雑な余韻が長く続く。

ミモレット(硬質チーズ)と。

 

 

ステキなウィスキーを作り続けてくれた方、それを届けてくれた方、そしてクリスマスにこれらウィスキーを教えてくれて飲む機会をくれたマスター、ありがとうございます。

 

グレンユーリー ロイヤル。

閉鎖されてしまった蒸留所ですが、巡り巡って飲めたことがうれしい・・・。

 

 

 

 

 

第2部 モルトの会の終焉。共に飲んで語ろう。

マスターY氏が辞めることを知った私たち。

それ以外にも、きっかけをつくったSさんは、今回は欠席。

カメラマンU氏も別の用事。

確かに、毎回集まることは難しくなってきました。

 

「本場スコットランドに行って、モルトウィスキーを飲もう」という夢は持ちつつ、それぞれに新たなステップへ進みます。

今宵は、宴を楽しんで、夜中まで飲み語ります。

 

北ハイランド

  1. グレンモレンジ(GLENMORANGIE)10年 40.0%

 

東ハイランド

  1. グレン デヴェロン(GLEN DEVERON)12年 40.0%
  2. ザ グレンドロナック(THE GLENDRONACH)オリジナル12年 40.0%

 

西ハイランド

  1. オーバン(OBAN)14年 43.0%

 

中南ハイランド

  1. ダルウィニー(DALWHINNIE)16年 43.0%
  2. グレンゴイン(GLENGOYNE) スコティッシュオーク 43.0%

 

スペイサイド

  1. アベラワー(ABERLOUR)10年 40.0%
  2. グレンフィディック(GLENFIDDICH)12年 43.0%
  3. グレンフィディック(GLENFIDDICH) ヘリテージリザーブ 43.0%
  4. グレン グラント(GLEN GRANT)5年 40.0%
  5. ザ グレンリベット(THE GLENLIVET)12年 43.0%
  6. ザ グレンリベット(THE GLENLIVET)フレンチオークリザーブ15年 43.0%
  7. グレン マレイ(GLEN MORAY)12年 43.0%
  8. インチガワー(INCHGOWER)14年(UD社 花と動物ラベル) 43.0%
  9. ザ マッカラン(THE MACALLAN)12年 40.0%
  10. ザ マッカラン(THE MACALLAN) エレガンシア 12年 43.0%
  11. トマーティン(TOMATIN)12年 43.0%

 

キャンベルタウン

  1. グレン スコシア(GLEN SCOTIA)14年 40.0%
  2. スプリングバンク(SPRINGBANK)C.V. 46.0%

料金追加サンプル(15ml)

東ハイランド

  1. グレン ギリー(GLEN GARIOCH)18年 (1978年蒸留 厳選樽混合限定品) 59.4%
  2. グレンユーリー ロイヤル(GLENURY-ROYAL)20年(1984年蒸留単一樽 DT社)  50.0%

 

中南ハイランド

  1. エドラダワー(EDRADOUR)11年 ソーテルヌ樽フィニッシュ(1994年蒸留単一樽)55. 7%

 

スペイサイド

  1. アベラワー(ABERLOUR)アブナ(シェリー樽) 59.6%
  2. ザ グレンリベット(THE GLENLIVET)16年 ナデューラ (バーボン樽)57.2%
  3. ザ グレンリベット(THE GLENLIVET)37年 (1968年蒸留単一樽 DT社) 41.7%
  4. インペリアル(IMPERIAL)22年 (ロッホデール社) 45.1%
  5. マッカラン(MACALLAN)17年 (1985年蒸留 G&M社) 40.0%
  6. ザ マッカラン(THE MACALLAN)18年 43.0%

 

キャンベルタウン

  1. スプリングバンク(SPRINGBANK)15年 46.0%
  2. スプリングバンク(SPRINGBANK)12年 ラムウッド(単一樽) 54.6%
  3. スプリングバンク(SPRINGBANK)(1991年蒸留単一バーボン樽 KB社) 62.6%

 

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