初めての畑で野菜つくり

田舎に引っ越すことを考えて、はじめに頭に浮かぶのは畑。

「引っ越ししたら、野菜作りを覚えたい!」

と地域の皆さんに挨拶しました。
引っ越しして2週間もたたずに、お隣さんから

「畑やりたいんでしょ?この場所使っていいよ」

とお誘いがありました。
家の中は片付かないし、まだまだ身体を休めていたいし、と思ってはいたものの、

「今だったら、ジャガイモが植えれるよ、野菜は時期があるからね」

とのこと。

そうなんですよね、タネをまくのも、野菜を植えるのも、当然、時期、いわゆる旬ってのがあるんですよね。
これまでお遊び程度のプランター栽培をかじっただけの私は、当たり前のことをすっかり忘れているのに気づきます。

初めてのジャガイモ準備

そんなわけで、ジャガイモを植えるため、さっそくホームセンターに材料を揃えに行きます。ちなみにジャガイモは妻の好物。
必要なものは、お隣さんから聞いていたので

  • 種芋(男爵)
  • 牛ふん
  • 化成肥料
  • 鍬。

私が引っ越した家には大家さんの持ち物がしっかり残っていてどれも自由に使っていいのですが、まだ何が必要で、何が使えるのかわからない状況だったもので、鍬を買ってしまいました。
ついでに、今後のために、ほうれん草、人参、ネギ、にら、枝豆なんかのタネと石灰。

初めての畝つくり

テンションが上がった私は、周囲の畑を観察して見よう見まねで畝を作ろうと耕します。
この時、久しぶりに労働で汗をかくわけです。
なんだか、急きょ決まった畑仕事で、よくわからんまま鍬をふるい、畝を作るわたし。身体を土まみれにしながら、身体を動かすのって悪くない。
妻から、昼食のお呼びがかかるまでの2時間弱、土いじりに没頭してしまった。

そして、自分なりの達成感!!

ひとまず、畝ができた!次はジャガイモを植えよう!
まだ昼過ぎですが、疲れたから寝る。身体を動かしたら寝る。

さて、、、、翌日。
朝7時ころから、鍬をふる音が。

サック、サック、、、サック、サック、、、

気になって眠れない。
起きて、窓から畑を眺めると、昨日、私の作った畝を、お隣さんが耕している。

何が起きたんだ!
急いで着替えて、半分ボ~っとしながら、畑に向かう。

(私)「おはようございます。」
(お隣さん)「お!あんたの作った畝、全然だめだから、作ってやる。」
(私)「あ、そうなんですか。周り見ながらやったんですけど。」
(お隣さん)「あれは、ジャガイモを植えたあとの畝で、植える前はこう作るんだ!」
(私)「はい。」

それから30分、畝が出来上がるまでを見学。
何だったんだ、昨日の達成感。

(お隣さん)「ま、今日はこんなところでいいわ。分からないことがあったら、聴きに来い!」
(私)「あ、ありがとうございました。」

ジャガイモを植える準備が整った畝は、昨日、私がつくったものとはかなり異なった形状でした。

奥が深いぜ、家庭菜園。。。

師匠、これからいろいろ学ばせていただきます!
(お隣さんは、言葉使いは乱暴ですが、私が寝ている間にこっそりと畝を直そうとしてくれた天使のような方でした。)

初めてのジャガイモ植え

はじめて植えようとしたジャガイモは、畝つくりの時点であっけなくダメだし&やり直しをされたわけです。
(私が起きる前に、こっそりと畝を作り直そうとしてくれたお隣さんに感謝!)

そしていよいよ、その正しく素敵な畝に、さっそくジャガイモを植える。
その日は朝から小雨のふるどんよりとした日。

大家さんの残した一輪車に、牛糞堆肥と化成肥料、そして、種イモを乗せ、肩に鍬を担ぎ、畑へ向かう。

そこに、お隣さんの声、

「これから、種イモ植えるの?ダメだよ、こんな小雨の日に植えちゃ。種イモ腐っちゃうよ。ジャガイモは晴れて、土が乾いた時に植えるの。」

(私)「あ、そうなんですか・・・」
(お隣さん)「種イモも、これじゃ大きすぎるから、切って灰をつけないと」
(私)「・・・」
(お隣さん)「草木灰ある?…無いなら持ってきてあげる」

ということで、種イモの準備のみを進める。
じゃがいもの種芋を切って、切り口に灰を塗る

そして、後日。晴れました。
ジャガイモ植えました!!お隣さんが。。。

私が勢いよく種イモを持って畑にきたら、

「どれ、植えてやるから」

と。たんたんと、種イモを等間隔において、しっかりと土をかけてくれた。

師匠、ありがとうございます!!!!

畑の見学(観察)

種イモを植えてから、毎朝、畑を見に行きます。
当然、そんなに毎日観察しても芽は出てこないのですが、それでも見に行きます。
そして、雑草が生えるたび、これかな~?これかな~?と頭を悩ませつつ、楽しくなっちゃうわけです。

ジャガイモの芽がどんなものかわからない私は、

「芽が出てきたね~」

とお隣さんに言われて、初めて『これか!』と気づきます。
植えてから、およそ2週間。なるほど!

3週間後には、芽欠きと追肥。
油粕と化成肥料をバケツの中にいれて混ぜる。芽のまわりの土を軽く掘り、肥料をいれて、そして土寄せ。さらに花が咲くころに、もう一度追肥と土寄せ。

これらを師匠(お隣さん)の指導のもと行う。
正確には、行ってもらったということ。。。

あざーっす!!!

初めての獣害対策

さて、この地域では、野菜を作るうえでやらなくてはならないことがあります。
それは、

『獣害対策!!』

サルが来るんです。ジャガイモを食べに。
シカも来るんです。ジャガイモの葉を食べに。
イノシシが来るんです。ジャガイモを掘りに。

周囲の畑は、正直、あまり見栄えのよくない柵とネットで囲まれているのですが、そうか、これは獣害対策ってやつなんだ。

私もこれをやらなくてはならないのだ。。。

引っ越したばかりの頃は、まさか、自分が獣害対策を行うなんて考えもつかなかった。
そして、見様見真似で柵をつくる。

杭は竹。
なんと、私のお借りしている家には竹林がついています。
さらには、家の周りも竹林。ちょうどよいことに、数日前に竹を伐採していたので、少々拝借。
枝を掃って、ちょうどいいサイズに切って、それを組んで。

なんか、家庭菜園より疲れる。けど材料を集めるのは、たのしい。。。

次は網。
網は、ホームセンターで海苔の養殖網を購入。升目が違うらしいが、15cm x 15cmと結構でかい。
そしてこれを杭に縛る。うまくキレイに張るのはけっこう難しい。
テープと結束バンドで固定。

ようやくそれなりのものが完成!!
休み休みつくるので、10日くらいかけて作りました。

田舎でジャガイモを作るためには、いろいろなものが必要になるんですね。
スーパーで買ったほうが安いんじゃ、、、

いやいや、苦労した分、いろいろな経験ができるのです。

初めての獣害、そして収穫

私の場合、だいたい油断をしているときに、起きては欲しくないことが起こる。

これまでの人生でも大学での実験や仕事の後に、『楽しい飲み会』や『楽しいお出かけ』が控えていると、何かしらトラブルに見舞われる。

実験装置のポンプが止まったとか、先輩がポカしたとか、製品処理中に装置が止まったとか、担当している工程で製品の不良が多発したとか。。。

残念ながら、田舎で野菜を作っていても、そんなことが起こってしまった。
前日の球技大会で久しぶりに運動し、年甲斐もなく燃えてしまった私は、精根尽き果てて爆睡。
翌日、家族でお疲れ様会をしようと市内でお食事&買い物をし帰宅してみたら、なんとジャガイモがサルに掘られていた。

みてみると、まだ葉っぱもピンとしているしまだまだ成長中の段階。

周りの畑よりも2週間も遅く植えたわけだから、周りのジャガイモの方が成長しているわけで、実はご近所さんの方を取った方がいいはず。なんでうちの畑にくるんだ!

仕方ない、、、対策をしなくては。
昨日の球技大会の疲労はまだ抜けていないのに。

こういう時は、文句を言うよりもたんたんと作業をするに限る。サラリーマン時代に身につけた処世術である。
たんたんと、柵の上面に、眼の細かいネットを被せる。
長さが足りないので、たんたんと、ネットを紐でつなぎ合わせる。(当然隙間がある。)
翌日もたんたんと、ジャガイモの上に防虫ネットをかぶせる。

ひとまず、これで様子見!!!

たんたんと作業した翌々日。再びサル襲来。
隙間から入り込んで、ジャガイモ抜いていった。。。

お隣さんの話だと、一度作物に目をつけると、2-3日後に再びやってくるらしい。
それにしても獣害って悲しい。はぁ~ってなる。

妻は怒り心頭。

再度、サルの襲撃を受ける前に、とにかく収穫!!

妻も頑張る!!

はじめてのジャガイモつくり、収穫、そして採れたてをそのまま茹でて食べる。

それだけで、幸せになれる。苦労はするけれど、いいな~、野菜作り。

<記録>

2016
4.5 畝つくり
4.6 畝、作り直し
4.7 種イモ準備するも、雨のため植えられず
4.9 イモ植え
4.27 芽がでてた!!!
5.5 土寄せ+追肥
5.18 土寄せ+追肥
5.23 柵つくり
6.6 サル襲来、柵強化
6.9 再度、サル襲来。収穫。。。