LinuxディストリビューションをインストールするためにブータブルUSBを作ります。
ブータブルUSBは、USBによってパソコンと接続して、起動(ブート)を行うUSBメモリのことです。
Linuxの場合は、使ってみたいLinuxディストリビューションをUSBメモリに書き込んで、そこからパソコンにインストールしたり、USBメモリから直接、起動させてLive USBとして使ったりします。
手軽なことと、書き込みや消去が簡単なので、主にUSBフラッシュメモリで作成することが多いです。
特にブータブルUSBをLive USBとして使用する際には、日本語環境などを導入するなど、設定保存が必要となりますが、一般的にブータブルUSBは保存できません。
今回は「UNetbootin」というソフトウェアを使うことで、「Ubuntu系」という制約はありますが、保存可能なブータブルUSB(Live USB)を作成します。
「UNetbootin」とは
Unetbootin(Universal Netboot Installer)は、Live USBを作成し、Linuxディストリビューションやオペレーティングシステムのインストールを行うことができるユーティリティです。
主要なLinuxディストリビューションをサポートしており、Ubuntu、Fedora、openSUS、CentOS、Debian、Linux Mint、Arch Linuxなど対応しています。
リブートしてもLive USB上で書かれたファイルを維持する機能があります。
この機能はUbuntu系のみが対応しています。
なお、同一デバイス上への複数のインストールはサポートされていません。
以前から気になっていた「elementary OS」を使ってみようと、「balenaEtcher」というソフトを使ってブータブルUSBをつくりました。
インストールするかどうか迷っていることもあり、当分はLive USBとして使用開始したのですが、環境の保存ができず、起動させるたびに一からやり直しなんですよね。
どうにかできないか調べたところ、見つけたのがこのソフトウェアでした。
準備するもの
USBフラッシュメモリ
Linux ディストリビューションによって必要な容量は異なりますが、8Gバイト以上あれば安心です。
軽量ディストリビューションの場合は2Gバイト以下でも十分ですが、フォーマットの関係で4Gバイト以上が良いです。
USBメモリは、FAT32形式にフォーマットする必要があります。
作業前にフォーマットしておいてください。
フォーマットの仕方はこちら。
LinuxディストリビューションをインストールするためにブータブルUSBを作ります。 ブータブルUSBは、パソコンをブート(起動)させるためのもの。 ブータブルUSBを作成するためには、USBフラッシュメモリをFAT32 …
保存可能なブータブルUSBの作り方
はじめに、ブータブルUSB作成の手順を説明します。
インストールしたいLinuxディストリビューションのWebサイトから、ISO形式のファイルをダウンロードし、そのファイルを「UNetbootin」でUSBメモリに書き込むという流れです。
Linuxディストリビューションをダウンロード
LinuxディストリビューションのWebサイトにいき、ISOファイルをダウンロードします。
今回は、「elementary OS」を例にします。
「Elementary OS」のWebサイト(elementary.io/ja/)へ行きます。
The fast, open, and privacy-respecting replacement for Windows and macOS

Elementary OS 5.1.7 Hera 1.49GB(2020.11.2現在最新版)における「推奨システム要件」は
・最近のIntel Core i3 またはそれと同等のデュアルコア 64bit プロセッサー
・4 GBのシステムメモリー(RAM)
・15 GBのディスクスペースのある SSD
・インターネットアクセス
・1024×768 ディスプレイ
これら要件はみたしていなくても動作するとのこと。
「価格はあなた次第:」のなかで、「カスタム」に「0」を入力し、「elementary OSをダウンロード」をクリック。
(もちろん金額をいれて購入してもOKです)
「ダウンロードの選択」と表示されるので、「ダウンロード」をクリックと開始します。
「UNetbootin」をインストール
ソフトウェア「UNetbootin」をダウンロードするため、「unetbootin.github.io」 にアクセスする。
左下に言語選択タブがあるので、「日本語」を選択すると、表示が日本語に代わります。
「ダウンロード(Windows)」をクリックすると、開始されます。

USBメモリを接続
FAT32にフォーマット済みのUSBメモリを接続する。
「UNetbootin」でブータブルUSBを作成する
「UNetbootin」を起動する。
「ディストリビューションを選択」の中からインストールしたいディストリビューションを選択。
「バージョンを選択」の中から選択。
直接、ディストリビューションのWebサイトからダウンロードすることも可能。
その場合は、「ディスクイメージ」を選択する。
「elementary OS」は、選択に含まれていなかったので、直接ダウンロードしました。
「スペース」(保存領域 4GB以下)を記入(Ubuntu系以外は0)
「タイプ」と「ドライブ」を選択し、「OK」をクリック。
書き込みが開始されます。
ブータブルUSBが無事作成できました。
LiveUSBとして使用してみます。
保存が可能なので、環境設定も保持されます。
ちなみに、別のパソコンでは起動できませんでした。
まとめ
Linux ディストリビューション用のブータブルUSBを作成する手順を紹介しました。
ブータブルUSBをLiveUSBとして使用するため、保存可能なLiveUSBを作成できる「UNetbootin」というソフトウェアを使いました。
これまでのOSを併用しながら、LiveUSBでLinuxディストリビューションを使用することが可能になったので、アプリーションなど、実際に触って遊んでみるのにとても良いのではないでしょうか。